会長に就任して

静岡化学工学懇話会
   会長(平成22,23年度) 須藤 雅夫
(静岡大学工学部 物質工学科)

 

 静岡化学工学懇話会は、平成4年に設立して以来、数えてみると平成22年で19年目に入るので、気が早いが平成23年度に20年目を迎える。設立の時のメンバーは、飯塚前会長、脇屋元会長、村松氏、河合氏などになった。もともと(社団法人)化学工学会の会員増強活動の一環として、東海支部の中で会員の多い静岡で組織が作れないかとの意向を受けて設立した。東海支部幹事の中野義夫先生と須藤が、鹿児島大学の高橋先生、幡手先生を訪ねてもっとも活発に活動を実施していると思われた南九州化学工学懇話会の実際の活動と運営方法を伝授頂いた。少しだけ見栄をはって、A4版の会報を作成した。静岡化学工学懇話会の名称も簡単ではなかった。静岡地方にして、豊橋、三河地方も活動してほしいというのが東海支部執行部の意向であった。静岡県は浜松から御殿場まで横に長く、愛知県東部までは活動出来そうもなく、現在の名称と活動エリアになっている。これまで、節目節目で学会を開催することができた。1992年には、化学工学会浜松地方大会、2000年9月には、化学工学会第30回秋季大会、2008年には、化学工学会第73年会を開催してきた。この実行部隊として、静岡化学工学懇話会の幹事および会員が活躍した。

 昨今は、「事業仕分け」とか「法人改革」とかが盛んである。静岡化学工学懇話会に天下りはない。本体で実施可能なことを、わざわざしていないか?そんなこともないだろうと思う。ここで静岡化学工学懇話会のビジョンとミッションは何かを再考してみる。

     ビジョン:静岡県地区での産官学の交流の促進と活性化。
           幅広い異業種の分野での人材交流。
     ミッション:静岡フォーラム(ホットなテーマの講演会)、静岡コロキウム(討論会)、
           企業技術交流会(企業での開発技術の紹介と交流)、見学会を
           県内東部、中部、西部で開催している。

 静岡化学工学懇話会は、20年前には学会に入会しないと情報が得られない時代であり、化学工学会の御旗の下での勉強に役立つ企画を県内で立案でき、また静岡から発信できるという点で貴重な活動であった。世の中のグローバル化と同時に、瞬時にタイムリーに情報が得られ20年前ほどの価値は、現在はない。化学工学会は、研究と教育を中心とした部会制度を設置し、支部、懇話会活動を「仲良しクラブ」的な位置づけとしている。しかし、バインダー的な仲良しは必要であり、縦横のつながりこそは重要である。さらに、地域貢献に懇話会が役に立たないかを検討したい。地域での化学工学、科学技術の啓蒙や地域での技術開発などに連携出来るはずで、そのための仕組みを始めたいと考えている。

                                                           以上




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