平成10年度総会・第16回静岡コロキウム顛末記

 本年度の総会は、平成10年5月26日(火)にJR浜松駅南のサーラシティ浜松で開催さ
れました。今年度は、午後に第16回静岡コロキウムを開催するため、午前10時からの役
員会の後、午前11時から総会が開かれました。

 まず、本年度は役員改選の年なので、会長・副会長その他の役員の選出にはいり、会
長に鈴木孝典氏(巴川製紙所)、副会長に浜辺順彦氏(日本軽金属)及び市川右氏(中部
ガス)が選ばれました。続いて新会長の鈴木孝典氏の挨拶、平成9年度事業の報告及び
決算の承認を行いました。収入が伸び悩む一方で、支出は郵便代その他の値上がりなど
により確実に増加しているため、懇話会財政が逼迫しつつある現状が、会計担当幹事から
紹介されました。この状況を踏まえて、本年度の事業計画と予算案を審議しました。その結
果、静岡コロキウムを昨年度までより1件少ない2件、静岡フォーラムおよび企業技術交流
会は昨年と同様1件ずつを、それぞれ主催行事として開催することになりました。これに合
わせて、本年度の予算案が承認されました。

 今年度は新しく「名誉会員」制度を導入することも総会で話し合われました。名誉会
員は、本懇話会発展の貢献者の中で主に現役を退かれた方を対象に、長年の御貢献を顕
彰するとともに、本懇話会の行事に自由に参加していただき、貴重な御意見を賜るため
に置かれるものです。審議の結果、規約を改訂してこの制度をスタートさせることとし、
今年は元会長の吉永勝也氏と元監事の宮野康氏を名誉会員に准挙することが決まりました。

 引さ続いて、財政緊縮対策・会員数拡大対策などを含めた今後の懇話会のあり方につ
いて活発な意見交換が行われました。電子メール等の活用による通信費の節約や、コロ
キウムやフォーラムをさらに魅力的なものにするための幹事会の開催、懇話会のホーム
ページ開設の検討など、数多くの建設的な提言が寄せられ、実り多い総会とすることが
でさました。総会参加者の方々に感謝申し上げます。

 午後からは会場を移して第16回静岡コロキウムを開催しました。今回のテーマは、「新
しいエネルギー利用技術を考える」で、最初に静岡大学工学部教授の藤波達雄氏から「リ
チウム二次電池用ポリマー電解質材料の開発」と題する御講演をいただきました。高い
エネルギー密度を持つリチウムイオン二次電池は、1991年に日本で発売されて以来、携
帯電話等の急速な普及により生産が急増するとともに、排ガスの出ない電気自動車など
への応用などで注目を集めています。これに高分子固体電解質を用いるための原理と材
料の開発について、藤波先生は実に明解に解説して下さり、将来的に最も高性能の材料
として期待されるシングルイオン伝導性高分子について紹介して下さいました。さわめ
て興味深い御講演でしたので、講演後の質疑応答も非常に活発で、時間が足りないほど
でした。


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