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 続いて、「都市ガスを用いた「サーラシティ浜松」の熱併給発電の現状と展望」と題
して、中部ガス(株)浜松支店の斉藤氏を始めとする数名の担当者による状況説明と施
設見学を行いました。まず、わが国において97年9月末で総発電容量の約1.8%を占め
ている熱併給発電の普及状況が、民生用・産業用別に詳しく紹介されました。その後、
国の助成策をはじめとするわが国の熱併給発電を取り巻く環境の説明がありました。「サ
ーラシティ浜松」の熱併給発電については、プール等への給湯など熱需要が大きいこと
もあり、比較的小型の設備であるにもかかわらず20%以上の発電効率を維持し、排熱回
収率を合わせた総エネルギー利用率も年間を通じて60%以上を安定に得ている現状が報
告されました。この内容を踏まえて、実際の施設見学に臨みました。

 講演会場に戻り、引き続いて、浜松熱併給(株)取締役の水野晴彦氏から浜松アクト
シティ地下の地域冷暖房施設について説明を受けました。地域冷暖房は、従来の建物ご
とに冷暖房する方式に比べて、電気や方スの使用量が少なくて済み、省エネや公害防止
に役立つすぐれた特長があります。浜松アクトシティの地域冷暖房は、全国では100番目、
静岡県では初めてで、中部地方では最大の設備ということで、興味深い説明をしていた
だきました。その後徒歩で講演会場から浜松アクトシティヘ移動し、地下の広大な熱併
給センターを見学しました。巨大な蓄熱槽やヒートポンプなど、ふだんは目にすること
のない施設を見学でき、17時頃、すべての行事を終えて現地解散となりました。充実
した1日でした。なお、総会・コロキウムヘの参加者は30数名にのぼり、盛会でした。

 参加して下さった皆様、講演して下さった講師の各先生方、また総会会場・見学等の
お世話をして下さいました中部ガス(株)の市川右氏に厚く御礼申し上げます。

                              (静岡大学工学部 松田 智 記)


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