研究紹介
超臨界流体など加圧流体に関する基礎研究
超臨界流体などの加圧流体は環境負荷低減型のプロセス溶媒として注目されています。近年、無毒・安定・環境に優しい高圧の二酸化炭素や水を利用した環境負荷低減技術の開発が盛んにおこなわれています。 加圧流体を利用する装置の設計、スケールアップ、最適化などには、加圧流体中における平衡物性値や輸送物性値などが必要不可欠であります。しかし、加圧流体は気体や液体と比べ、物性値の測定が難しいため、実測データが少ないのが現状です。
そこで、我々は亜・超臨界流体、ガス膨張液体などの加圧流体中における各種有用有機化合物の溶解度、分子拡散、保有因子、または部分モル体積などの物性値の測定実験および計算機によるシミュレーションを行い、加圧流体中の物性値の解明をはかります。
超臨界流体など加圧流体を活かした応用研究
超臨界二酸化炭素は非極性溶媒であり、各種有機化合物などを溶解することができます。溶質を溶解した超臨界二酸化炭素や二酸化炭素膨張液体を大気圧に戻すと二酸化炭素は気体となり揮散します。この技術による微粒子形成プロセスの一つとして、微粒子とする溶質が溶解した加圧流体の圧力を急激に低下させ、 流体体積を膨張させる方法があります。この方法は流体密度の急激な減少に伴う溶質の溶解力の低下により、流体に溶解していた物質は急速に析出し、均質な核生成と微粒子への成長を生じさせる方法であります。また、この方法は有害な有機溶媒を用いなく、環境に優しいものづくり技術として注目されています。
そこで、我々は環境にやさしい亜・超臨界流体技術やガス膨張液体技術を活かし、有用成分の抽出やエネルギー変換プロセスに向けた機能性複合材の開発と電子デバイスへの応用などに関する研究を行っております。
新たなアプローチによるナノ多孔性材料の合成と触媒応用
ゼオライトや多孔性配位高分子(PCP)に代表される結晶性ナノ多孔質材料は、その特異な吸着・イオン交換・触媒能などから広く工業的に利用されている材料です。精緻に制御された結晶性骨格とそれに起因する機能を発現させるためには、骨格構造やその組成を狙って設計する必要があります。 これまでにも、水熱条件下での核生成・結晶成長に関する速度論的過程と平衡論的過程を制御しようと、様々なアプローチが試みられてきました。しかしながら、主たるアプローチは有機分子の多様性を利用したものであり、新たな革新的手法が求められています。
我々は多孔性材料のデザイン合成に向け、特異な反応場(超臨界・亜臨界流体)や規則的構造欠陥を利用した新たなアプローチに挑戦します。
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