Reserch

微生物を利用した廃棄物処理研究

「生ごみ処理における過負荷現象の解明と対策」(M2 NGUYEN THI QUYNH LIEN、 B4 澤埜貴雄)
 当研究室では、微生物を利用する静置型生ごみ処理装置の開発研究に注力してきた。本装置の反応器壁は通気性の良好な素材でできており、一日一回の手動攪拌である。一般的な電動型処理機よりも省エネ的であり、生ごみを適正に投入する条件であれば分解性能が高く、悪臭が少ない等の利点がある。しかし、この処理装置に生ごみを過剰に投入すると、生ごみ分解速度の低下と発熱量の減少、pHの低下、酷い悪臭の発生など「過負荷現象」と呼ばれる状態が起きる。過負荷現象は他の生物処理プロセス(活性汚泥法、メタン発酵等)でも一般的に観察されるが、本研究では生ごみ処理における過負荷現象の機構解明と対策の立案に取り組んだ。

「生ごみ分解過程における分解状況と微生物叢の関連解明」(M2 Reni Sutri、 M2 柳原聖、 B4 伊藤和輝、 B4 加藤優征)
 既往の研究より、静置型生ゴミ処理装置は電動型生ごみ処理装置よりも優位であることが確認されている。しかし、どの微生物が有効なのかはわかっていない。そこで、本研究では分解に有効な微生物を見つけることを目的とした。分解に有効な菌を特定するために、最初に装置内に存在する生菌の酵素活性を測定した。また、生ごみ処理装置の装置内温度は30~60 ℃の範囲で変動するため、装置内温度が変動した際の生菌の変化について調べる。

「生物難分解性産業廃棄物の微生物処理」(M2 早川裕介、 B4 鈴木美涼)
廃エンジンオイル、機械作動油、塗料汚泥などの工業廃液 (産業廃棄物)はこれまで主に物理化学的に処理されてきたが、 処理全体のコスト高や環境負荷が大きいことが課題となってい る。最近、特定の微生物資材を用いると効果的に減量されること が経験的に判明したが、詳しいメカニズムは解明されていない。 本研究ではその実証とともに有用微生物の最適処理条件を検討する中で、そのメカニズムの解明を目指す。 前実験として微生物資材?分解能力の検証を行い、おそらく特定の微生物資材は生物難分解の工業廃液(産業廃棄物)を 処理することができると推測された。今年度は各種工業廃液サ ンプルを炭素源とする微生物が存在し、また分解に効いているのかを微生物実験によって確認することから着手したが、実験過程においていくつかの問題があることが判明した。したがって、 これまでの実験方法を見直すことで問題点の改善を図った。


水質浄化策に関する基礎研究

「鉄による水中有機物の無機化効果」(M2 佐藤俊輝、 B4 中嶋唯衣)

 当研究室では、鉄を用いた水質浄化の研究に注力している。既往の研究より、有機物を含む水溶液にゼロ価の鉄粉末を添加することでTOCの低下が確認されている。再現性も確認できているが、TOC濃度の低下についてメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究では鉄粉による水中有機物への効果を再検証するとともに、そのメカニズムの解明を目的とした。


「TiO2微粒子を用いた色素分解」(M2 VEDI SANTHANA)
 TiO2微粒子を触媒とし色素を効率的に分解する、また微生物を付与することによる影響を調査する。



LCA・工学的評価研究(松田智准教授)
・再生可能エネルギー普及のための条件(FIT制度批判と代案の提示)
・水素エネルギー社会論批判
・汚泥処理のLCA(オゾン可溶化処理の環境負荷)
・生ごみ乾式メタン発酵の実用可能性評価
・リサイクル等のエネルギー的評価と経済評価の乖離を解消する方法の考案
・脱原発、新エネルギー関連